「先生のオススメ」の責任
先生として、生徒さんにいろいろなことをオススメするという場面が頻繁にあります。
例えば、家での練習方法。
楽譜の買い方、選び方。
参考音源のおすすめ。
最近のように演奏会が近づいてくると、スタジオを借りて練習したいと言う方へのいくつかのアドバイス。
こうするのがいいんじゃないですか、こういうのがオススメですよ、ということを言わなければいけない。
その時に、先生の責任ということを考えます。
生徒さんが家ではあまり練習できないので、本番と同じようなグランドピアノで練習したい、歌の人も大きな声でしっかり練習したい、ということで、スタジオを借りことがあるので。
良いスタジオ、そうでもないスタジオ。
そして、借りた時のそのスタジオのピアノやマイクの使い方など、いろいろなことを。
スタジオでのレッスンでしたら、すべて先生が教えればいいのですが、 生徒さんが自分で判断しなければいけない時のために。
部屋の広さとグランドピアノの屋根の開け方の関係、その生徒さんの耳に一番良い聴こえ方になるように。
そして、参考音源です。
今はYouTubeで探して聴く方がほとんどなので、 この人の演奏が良いということをオススメします。
昔はどの人のCDを買ったらいいですか。などよく訊かれましたね。
これはもちろんクラシックの話です。
同じ曲でも演奏者がいろいろいるので、どの人が弾いているこの曲がオススメですか、どの歌手が歌っているこの曲がオススメですか。ということです。
ポップスの場合でも、歌手は決まっていても、例えばライブ音源でとても良いパフォーマンスがあったとか、ライブよりも元の音源の方が良いでしょうという場合。
その中でも、シングルバージョンとアルバムバージョンどちらの歌い方、バックのバンドの演奏の仕方が、その生徒さんにはオススメなのかということもあります。
この参考音源を聴いて練習してくださいということを先生は言ってあげたほうが良いと思うのです。
それらのことをまったく先生に質問しない生徒さんや、生徒さんにお伝えしようとしない先生というのがいらっしゃるようで、 すこし可哀そうかなと思ってしまいます。
その生徒さんはもしかしたら、そんなこと先生に訊いてはいけないのだと思っているかもしれないのですから。
例えば、何も教えなかったためにあまり良いことにならなかったとすると、 大人ですから先生のせいですとは思わないでしょうけれども、先生はやはりアドバイスしてあげたかったなと思ってしまうのです。
一番失敗が多いのが楽譜かな。
楽譜だったら自分でも買いに行って選べると思ってらっしゃる生徒さんは多いです。
そうでもないんですよ。
この楽譜のお話はまたの機会に。
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