楽譜を見ると種類や時代がわかる?
- Naito Ikuko
- 4月10日
- 読了時間: 2分
音楽の時代や種類について「その違いが興味深い」と、私は常々いろいろな場で言っています。
最近とあるお仕事の関係で、何人かの作曲家のピアノ音楽を勉強し直しているのですが、その中で、ひとつの曲で何人ものピアニストの演奏を聴いたり何種類かの出版楽譜を調べたりしています。
楽譜をつくづく見ていると、その見た目だけで時代が分かるなぁといつも思うのです。
そのように目が育っていて、頭の中で音が鳴るくらいまでの音楽経験があるということが前提ですが。。
ロマン派は、楽譜を見るからにその美しさがどんなイメージなのかがわかる。
バロックは、弾いてみてはじめてどんな世界なのかが分かる。
この違いは大きいです。
ロマン派ピアノ曲の楽譜は、まるで音楽を絵に描いたようです。
ダルクローズ・リトミックのレッスンで私手作りのイラストスコア(絵楽譜)を使いますが、その感覚と近いものがあるのかなと思います。
メロディも和声もリズムも、見えたものからそのままダイレクトに頭の中に音が流れる。
音の流れをそのまま視覚化するとこの絵になる、という感じです。
作曲家自身が書いた記号や用語もまた絵の一部として、反応できると良いですね。
その点で原譜が正確に反映されているかが、楽譜の選択の基準となります。
バロックのチェンバロ曲の楽譜で,目で見てすぐに分かることは。。
声部がいくつあって互いにどのような関係を持っているか。
舞曲だとしたらどんなノリで体を動かすのか。
カデンツァの場所(これはとても大切)。
という感じでしょうか。
実際の音がどんな起伏でどんなイメージを持っているのかは、弾いてみて分かってきます。
それは、バロックのチェンバロ曲の方が、私のいつも言っている「楽譜はメモであって、音そのものを伝えることはできない」の典型だからでしょう。
楽譜に書いてあるとおりにだけ音を出して、それで仕上がる音楽ではないからです。
生徒さんの使っている楽譜と郁センセの持っている楽譜の出版社が違う場合に、レッスンでいろいろなことが起きてしまいます。
丁寧に解決してゆかなければならないですね。

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